鐘の音が聴こえる音楽特集!

ハウスクリーニング仲介業ユアマイスターのCM「家族会議篇」で流れている音楽は、フランツ・リスト作曲の「ラ・カンパネラ」。CMはこちら。



「ラ・カンパネラ」(La Campanella)は、フランツ・リストのピアノ曲。ニコロ・パガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番第3楽章のロンド「ラ・カンパネラ」の主題を編曲して書かれた。名前の Campanella は、イタリア語で「鐘」という意味である(ウィキペディアより)。なお、リストが「ラ・カンパネラ」を扱った作品は4曲存在するが、現在リストの「ラ・カンパネラ」として演奏されるほとんどの作品は「パガニーニによる大練習曲」第3番(1851年)で、CMでもこの曲が使用されている。

リスト:ラ・カンパネラ(「パガニーニによる大練習曲」第3番)
MP3は簡易省略版。ちゃんとした演奏はYouTubeでどうぞ。



原曲であるパガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番(作曲年不明1810年~20年代辺りか?)の第3楽章「鐘のロンド」はこちら。



「鐘」という副題を持つピアノ曲では他に、セルゲイ・ラフマニノフ作曲の前奏曲 嬰ハ短調(1892年)が有名。モスクワのクレムリン宮殿の鐘の音からインスピレーションを受けて作曲された。初演当時から大人気で、ラフマニノフが自身の他の作品が霞んでしまうとして苦々しく思うほど、この前奏曲はフィーバーしたらしい。

ラフマニノフ:前奏曲 嬰ハ短調 Op.3-2「鐘」
YouTubeより。



この曲はアメリカでも人気が高く、インスピレーションを受けたジョージ・コブというアメリカの作曲家が「ロシア風ラグ」(1918年)というタイトルでラグタイム曲を書いている。

ジョージ・コブ:ロシア風ラグ
バロック音楽から一曲。バス・ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)奏者でフランスの宮廷作曲家、マラン・マレ(1656-1728)の作品から、1723年に出版された「聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モンの鐘」。鐘の音を表現したモチーフをベースに変奏してゆく斬新な名曲。MP3はヴァイオリン、チェロ、チェンバロの音色で制作。

マラン・マレ:聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モンの鐘
YouTubeより。



キリスト教圏であるヨーロッパでは各地に教会が建てられていて、時を告げ、祝いや弔いの合図として鳴らされる鐘の音は昔から身近なものであったせいか、古くから鐘の音は音楽に取り入れられた。上の曲のように鐘の音をピアノやヴァイオリンなどの楽器で模倣したり、鐘自体(鐘の音が出るような楽器も含む)を鳴らしたりして音楽に効果をもたらしている。鐘の音を効果的に取り入れた管弦楽曲として代表的な作品といえば、エクトル・ベルリオーズ作曲の「幻想交響曲」(1830年)であろう。夢の中で彼女を殺害し断頭台で処刑された青年が、魔女の饗宴に自分自身の葬儀を見るという内容の第5楽章で、弔いの鐘が鳴り響く。下の映像の2:50頃から。



モデスト・ムソルグスキー作曲、その後モーリス・ラヴェルが管弦楽にアレンジした「キエフの大門」(組曲「展覧会の絵」より)も鐘の音が活躍。もともと「展覧会の絵」はピアノ組曲として作曲された(1874年)が、『オーケストラの魔術師』であるラヴェルが華麗で色彩的な管弦楽版にアレンジ(1922年)したことにより、広く知れ渡るようになった。「キエフの大門」は、建築家&画家のヴィクトル・ハルトマンが描いた同タイトルの絵から受けた印象を、ムソルグスキーが音楽化した作品。ハルトマンへの追悼を表すかのような荘厳な鐘の音が鳴り響く、「キエフの大門」の一部をYouTubeでお聴きいただこう。



私が制作したMP3はピアノ版だが、ムソルグスキーの原典版ではなく、曲を世に広めるきっかけを作ったリムスキー=コルサコフによるアレンジ版。

ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」~キエフの大門
ピョートル・チャイコフスキー作曲の大序曲「1812年」は曲のクライマックスで勝利の鐘が鳴り響く。「1812年」とはナポレオンのロシア遠征が行われた年。ナポレオン率いるフランス軍はロシアに侵攻するも結果は惨敗、ロシアが勝利した。この祖国の歴史的勝利を題材にしてチャイコフスキーは1880年に大序曲を書き上げた。下の映像の演奏で鐘が鳴り始めるのは13:27頃。この演奏では劇場の外にたくさんの大砲を並べてぶっ放す(実際に楽譜には大砲(cannon) の指定があるそうだ)し、曲の最後に花火を打ち上げ、演奏が終わった後は教会の鐘を打ち鳴らすなど超ド派手な演出!



他にも鐘の音が鳴る音楽はいろいろあるが、最後にエストニアの現代音楽作曲家、アルヴォ・ペルト(1935-)の作品で締めましょう。ペルトは、単純な三和音をまるでひとつの鐘(または鈴)が鳴り続けるように一定のリズムで繰り返す手法「ティンティナブリ様式」を確立した。

ペルト:カントゥス―ベンジャミン・ブリテンの思い出に(1977年)



ペルト:タブラ・ラサ(1977年)~1.ルードゥス



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