マツコの知らないクラシック作曲家の世界

現在TBSで毎週火曜日の午後9時から放映されているトークバラエティ番組『マツコの知らない世界』(MC:マツコ・デラックス)は、毎回あらゆる分野のスペシャリストをゲストで招いて、そのゲストにマツコ氏が鋭いツッコミを入れるトークが好評。私はこの番組のテーマ曲のメロディが妙に気になったので調べたところ、Linda Scott(リンダ・スコット)の「星に語れば~I’ve Told Every Little Star~」(1961年)という曲であることが判明。チャン、チャラン、チャラララ~~~♪ が頭の中でこびりつかないように注意して聴いてください(笑)



5月12日に放映された番組のテーマのひとつに『クラシック作曲家の世界』があって、ヴィオラ奏者の生沼晴嗣さんとヴァイオリン奏者の上保朋子さんが夫婦でゲスト出演。とにかく妻の上保朋子さんのキャラが際立っていて、マツコ氏も「女房おもしろい」と絶賛していたぞ(^O^)
マツコ氏はさすがに博識。クラシック音楽トークで盛り上がり、さらにティンパニやシンバルの演奏体験までこなしていた。スゴイね♪
現在、次のYahoo映像トピックスで番組が視聴できます。
http://videotopics.yahoo.co.jp/videolist/official/music/p6179725dee6e4080b8dfa4c39f3efac8
番組の視聴期間が終了してしまったため、映像は視聴できなくなりました。

番組ではベートーヴェンの「運命」冒頭部分の聴き比べをやっていた(上の映像では33分30秒辺りから)。運命がドアを叩く・・・お馴染みの冒頭部分。

第1楽章全部をピアノ版で制作しました。MP3を差し替えます。

ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 Op.67「運命」~第1楽章


(プレイヤーが表示されない場合は下のURLをクリックしてください)
https://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/013/598/46/N000/000/001/144871727256885762180_beethoven_symphony5-1_201511.mp3

オーケストラ演奏はYouTubeでどうぞ。指揮は聴き比べでも登場したパーヴォ・ヤルヴィ(オケはブレーメン・ドイツ室内フィルハーモニー管弦楽団)。緊張感溢れる素晴らしい演奏!




ところで、私が興味を持ったのは、番組でゲストから「どんな作曲家がお好きですか?」と聞かれたマツコ氏が「ロシア系が好きかも・・・ショスタコーヴィチとか」と答えていたところ。これは驚いた。ロシア系というからチャイコフスキーとかラフマニノフが出てくると思いきや、ショスタコーヴィチとは!いや~、いいセンスをしてるねぇ(^_^b

ショスタコーヴィチ(1906-1975)とは、ソビエト連邦時代の最大の作曲家のひとり。スターリン恐怖政治の芸術への介入によって翻弄され続けた悲劇の作曲家でもあった。ショスタコーヴィチついての詳細は、ウィキペディアでどうぞ。また以前のブログ記事で、ショスタコーヴィチを取り上げたことがあるので、興味のある方は覗いてみてください。
http://8055.at.webry.info/201210/article_1.html

以前の記事では、ショスタコーヴィチの初期から中期あたりの作品を取り上げたので、今回は晩年の作品を取り上げてみますかね。スターリンの死後、ショスタコーヴィチの名誉は回復、晩年は輝かしい栄光に包まれた。その反面、何度も入院するなど体調は思わしくなく、「死」を意識するようになっていったらしい。晩年はシニカルで不気味、さらに諦念の境地に至ったような感じの音楽が目立つ。

・交響曲第14番 Op.135 「死者の歌」(1969年)~第5楽章「心して」より
11個の「死」に関連した詩に曲を付けた、11楽章からなる異色の交響曲。ソプラノとバス(この第5楽章ではバスは休憩)、弦楽器、打楽器群によって演奏される。



・交響曲第15番 Op.141(1971年)~第1楽章
作曲者最後の交響曲。第1楽章では有名なロッシーニの「ウィリアム・テル」序曲のメロディが何度も登場する。作曲者がいうには「深夜のおもちゃ屋」をイメージして作曲したとか。この曲でも打楽器群が活躍している。どことなく不気味な雰囲気が漂う音楽((+_+))



・弦楽四重奏曲第15番 Op.144(1974年)~第2楽章「セレナード」
作曲者最後の弦楽四重奏曲。標題付きの全6楽章で構成されており、全てアダージョで切れ目がなく演奏される。第2楽章では十二音全てがひとつずつ、弱音から強音まで弦楽器で奏でられていく。まるで矢がこちらに向かって飛んできて通り過ぎていくような感じの斬新な音楽だ。




最後に晩年の作品ではありませんが、口直しとしてショスタコーヴィチの肩の凝らない曲をどうぞ(^^)

・ピアノ協奏曲第2番 Op.102(1957年)

息子のために書かれたこともあって、伸びやかでくつろいだ雰囲気の音楽。スターリンの死後、芸術への締め付けが緩んだ、いわゆる雪解け時期に書かれたということも、深刻な雰囲気でない一因かもしれない。大曲ではないが作曲者の技量はさすが。第1楽章で途中からダイナミックに盛り上がるところなんかはゾクゾクしてしまう。また軽快でウィットに富んだショスタコ節も随所に現われる逸品。ちなみにこの曲の第1楽章は、ディズニー映画「ファンタジア2000」の中で、アンデルセン童話「すずの兵隊」のアニメーションにも付けられた。

※以前の映像は視聴できなくなっていたので、別の映像に差し替えます。今回は作曲者本人がピアノ演奏したもの(音楽のみ)。ショスタコーヴィチは、第1回ショパンコンクール(1927年)で、ソ連代表のピアニストとして参加し、特別賞を受賞するほどの実力者。ダイナミックな演奏が堪能できます。



追記。「すずの兵隊」の映像はこちら。音楽と映像がピッタリ合っていて、なかなかの傑作。本編は1分15秒頃から始まります。



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 4

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた 驚いた 驚いた

この記事へのコメント

ジョージ
2015年06月01日 10:56
マツコがクラシックが好きなのは意外でしたが、それ以上に、ショスタコが好きだというのは大変な驚きでした!

よりによってショスタコ???

ちょっと暗めの音調が好きだと、マーラーということは多いですが、ショスタコはなかなかいません。

型破りの前衛さや諧謔さがあるところが、きっとキーポイントなのだろうね。ショスタコ好きは、ちょと変わっているからね(笑)、koukouさん!

弦楽四重奏曲第15番 Op.144(1974年)~第2楽章「セレナード」ははじめて効いたけれど、こんな音楽を作りうる感性はすごいと思う。

こんな音楽家は、二度と出てこないだろうね。

スターリンに粛正されなかったのが不思議なくらいだ。

以前より、少しショスタコが好きになったかな。。。。ヤバイ、ヤバイ、気を付けないと!








2015年06月02日 00:48
こんばんは、ジョージさん。マツコ氏がショスタコーヴィチ好きとは驚きだね。マツコ氏はもともと物書きとして活躍していたぐらいだったから博識で、クラシック音楽にも結構精通していたんでしょう。何はともあれショスタコ好きというのは、人間的にもいいセンスですよ(^_^b

ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第15番の第2楽章は面白いでしょ?なんか矢とか光線がこちらに向かって飛んで来て、そのまま通り過ぎていくような感覚の音楽だね。晩年は音楽に凄みというか深みが感じられますな。

ショスタコーヴィチは、初期の前衛的な作風、スターリン政権下における体制に迎合した社会主義リアリズムの作風(要するに分かりやすくて心を昂らせる音楽)、晩年の芸術性が高まった作風(例えばショスタコ流十二音技法を駆使した音楽)など、いろんな作風があって面白いね。また音楽も暗くて重いものもあれば、軽妙で明るいものもあって多種多様で面白いし、さらに客観的でシニカルな視線を貫いたような作風が実に魅力的だと思う。まあジョージさんもこのままショスタコ好きになって、ヤバイ人生を歩んだらどうですか?(^O^)

この記事へのトラックバック