珠玉のチェンバロ作品~クープラン:神秘な防壁

最初にチェンバロについての説明を少し。チェンバロ(ハープシコード、クラヴサンともいう)とは、17~18世紀前半頃に大人気だった鍵盤楽器で、ピアノの前身楽器といわれています。ただし、外見は似ていても、ピアノが鍵盤を押すとハンマーで弦を叩いて音を出すのに対し、チェンバロは弦を引っ掻いて音を出す、ということで発音構造はだいぶ違っています。チェンバロの最大の弱点は、弦を引っ掻くことによって発音するので、一定の音量になってしまい、音の強弱には対応しにくい、ということでしょう。そのためチェンバロは、音も大きく、自由自在に音量を変えられるピアノが発明されると、人気が衰えてしまいました。一時期は全く廃れたチェンバロは、その後20世紀に入り、独特の音色・・・キンキンする音が、不安感を醸し出すには効果的だったようで(笑)、20世紀音楽の分野でまた復活しています。

さて、17~18世紀前半頃全盛期だったチェンバロは、バロック音楽において、数多くの作品が残されています。今回紹介するF.クープランの「神秘な防壁」も、この頃のバロック音楽です。この曲の洗練されたメロディーやリズム、豊かな響きは、数あるチェンバロ曲の中でも最高峰作品のひとつではないかと私は勝手に思っています(笑)

F.クープラン:神秘な防壁




ついでにクープランのチェンバロ曲をもう一曲。「葦」(湿地帯に生息する背の高い植物)という作品です。

F.クープラン:葦




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